スポンサーサイト
2021.07.22 Thursday
一定期間更新がないため広告を表示しています
女流建築家と家族のくらし
|
この度、当事務所の設計した住宅が完成しました。施主様のご厚意によりオープンハウスを開催しました。
岡山県浅口市の資料を遡ると、昭和23年よりも前から平成25年までの長きにわたり敷地周辺は棚田でした。しかし5年前に住宅地として造成されてからはそのような歴史が視界から消え去りました。
この敷地に住宅を建築するにあたり、外構を棚田に見立てることで土地の記憶を追想し、景色の一部を復元したいと考えました。外構だけにとどまらず棚田の石積みは室内まで侵入し、高低差がもたらす多様な居場所を生活空間の中に形作ります。
石積みと焼杉を際立たせる3つ目の素材として、今回あらたに杉の柱材が生み出す革新的な意匠に取り組みました。角材そのものが連続することで構成される塀、円弧状の配列による棚田との諧調、無作為に並ぶ列柱の作り出す室内空間など多くの場面で、角(かど)がつくる陰影を意匠の基調としています。
一つ一つの角度を吟味し、配列を繰り返し検証し、もっとも効果的だと考えた配置にしています。日本人にとって最も身近な素材である杉材の持つ新たな表現力を、緻密な計画と高い施工技術によって具現化することができました。
設計・監理:後藤亜貴建築設計事務所 後藤亜貴
施工:大和建設株式会社 池田 高志 門田 均 荒木 宏美
棟梁:棗田建工 坂之上 直毅
構造設計:西建築設計 西 伸介
照明設計:studio tanbo 池畑 善志郎
造園:後藤亜貴建築設計事務所+さとう誠雅園 佐藤吉郎
キッチン:松岡製作所 松永亜希子