女流建築家と家族のくらし
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学生たち
春休みになってすぐに学生たちが見学に来ました。
説明したり写真をとったり楽しくすごしました。

若い人たちからエネルギーをもらった気がします。
木造軸組模型から学んだ事
福山市立女子短期大学での建築一般構造で木造軸組模型を制作しました。
教科書の「白の家」の軸組は材料費と時間の両面で困難だったため、
急きょ9坪の、軸組を理解するための小建築を設計をしました。
接合断面が作業しやすいように考慮して、部材のサイズも実際よりは太めのひのきの5ミリ角棒を主に利用して1/30で造りました。



女子ばかりでどうなるのかと思いましたが、皆がんばって完成させました。講義のまとめは、模型制作から学んだ事と今後の自分にどのように生かしてしてゆきたいかを発表しあいました。ひのきの角棒を切る事の大変さと、出来上がってゆく喜びを多くの学生が感じてくれたようでした。手順の大切さや問題発生時の冷静な解決の必要性なども言及されていて、講義の中で伝えた事を実感してくれていることを嬉しく思いました。


授業に間に合わなかった生徒のうちの一人が夕方事務所まで持ってきましたが、このときある印象深い出来事がありました。

電車通学の彼女は模型を持って事務所へ来る途中に、夕方の通勤ラッシュで押しつぶされて壊れてしまったのです。
最初に壊れた模型を見たときは、自分の作った作品が壊れるような運び方をしたことを注意しました。しかし、なにかここから学ばせたいと思い、壊れた模型をよくみると、震災で倒壊した建物と良く似ていました。本人もテレビで見る震災の風景と同じだと思ったそうです。

角の通し柱と筋交いのある耐力壁の部分だけのこし2階の管柱がすべて落ちて、小屋組のトラスがそのまま落下していました。

つまり斜材の入っているところはきれいに残っているのです。
ただ、不思議な事に、耐力壁のうち片筋交いのところだけが残って、たすき掛けのところは壊れていました。おかしいと思い倒壊した部材を調べると、たすき掛けの筋交いの設置方法が間違っていることがわかりました。たすきがけにするときは2本の筋交いを重ね合わせて設置するのが本来なのですが、片方を中央で切断して一体化したX型を作ってから設置されていたのです。

常々、学生の間は間違っても良いが、それを糧にして社会で間違いを起こさないようにしなさいと言っている。彼女は建築コースの専攻ではないが、実社会でこういうことが起こったら恐ろしいことになる。

模型を壊すことは良い事ではないけれど、震災体験のある私は人を育てる事の大切さを学びました。
香川の回想
来月、両親が金婚式を迎える。
これを記念して父が写真集を出版した。
ここには四国の建築を半世紀以上撮り続けてきた記録が詰まっている。
50年で変わってしまった風景に対して、建築家として多くの事を考えさせられる一冊である。ずしりと重いバトンを渡されたような気がする。



取り壊し寸前であった旧入江邸の移築を、イサム・ノグチ氏のアトリエとして金子知事(当時)に進言したこと、そのアトリエでイサム氏のポートレートを撮影したときの様子なども書かれている。
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